管理者権限がない研究室のサーバを実験に利用する際、GitHubのプライベートリポジトリをクローンするための環境構築に手こずったため、その手順をメモとして残します。
概要
本記事では、jpillora/installer と GitHub CLI を利用して、管理者権限のない環境下でもプライベートリポジトリをクローンできるようにする方法を紹介します。
手順
1. GitHub CLI のインストール
管理者権限がないため、/usr/local/bin
へインストールできません。そこで、XDG Base Directory Specificationに従って~/.local/bin
にインストールを行います。
まだディレクトリがない、またはパスが通っていない場合は以下のコマンドを実行して準備してください。
mkdir -p ~/.local/bin echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc source ~/.bashrc
次に、jpillora/installer を利用して GitHub CLI をインストールします。
cd ~/.local/bin curl https://i.jpillora.com/cli/cli?as=gh | bash
2. GitHub CLI を使用した認証
インストールした CLI を使って、以下のコマンドで GitHub にログインします。
gh auth login
コマンドの指示に従い、生成された個人用アクセストークン(PAT)を用いて認証を完了してください。詳細はGitHub公式ドキュメント:個人用アクセストークンの管理を参照してください。
3. プライベートリポジトリのクローン
GitHubの対象リポジトリページで「Code > Clone > GitHub CLI」のオプションを選び、表示されたクローン用のコマンドをコピーして実行します。
gh repo clone <username>/<repository-name>
注意
トークンの権限設定が適切でない場合、クローンが失敗することがあります。必要に応じて、トークンのスコープ設定を見直してください。
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
gh: command not found
エラーが表示される場合- パスが正しく設定されているか確認してください
source ~/.bashrc
を実行して環境変数を再読み込みしてください
認証エラーが発生する場合
- トークンの有効期限を確認してください
- 必要なスコープ(repo権限)が付与されているか確認してください
クローンに失敗する場合
- ネットワーク接続を確認してください
- リポジトリへのアクセス権限があるか確認してください
免責事項
本記事の内容は情報提供を目的としており、実行は自己責任でお願いします。
- 本手法を使用することによって生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負いません
- 所属する組織のセキュリティポリシーやガイドラインを必ず確認し、許可された範囲内で実施してください
- 共有サーバでの実行は、他のユーザーへの影響を考慮し、適切な権限管理を行ってください
- 個人用アクセストークンは定期的に更新し、不要になったトークンは速やかに削除してください
- 本記事の内容は執筆時点(2025年6月)の情報に基づいており、GitHub CLIの仕様変更により手順が異なる場合があります
まとめ
今回紹介した手法は、SSHで接続する実験用サーバなど、管理者権限がない環境での開発・実験に有用です。セキュリティ対策に十分留意しながら、環境構築と運用を行ってください。
特に個人用アクセストークンの管理は重要です。定期的なトークンの更新と、最小限の権限設定を心がけることで、セキュアな開発環境を維持できます。